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100周年行事を前に、盛り上がった南加県人会2010年の新年会
(2月21日、写真はティム・ヤマモト氏提供) |
協会事務局では県の国際交流課担当者(原田久氏)と2月中旬、ロサンゼルスの南加県人会を訪問した。記念式典への訪問団派遣の準備と打ち合わせが目的で、ツアーコースに沿ってサンフランシスコやポイントアリーナの視察も実施した。
県人会訪問では約20人の会員と意見交換することができた。「8月1日の記念式典には愛媛の人が1人でも多く来てくれること願っている」というのが、会員らの共通する声だった。
意見交換では、会員らは強制収容所での苦労話や、愛媛にいる祖父の死に立ち会えなかったことへの悔恨の思いなどを打ち明けた。シアトルに生まれの婦人は「少女のとき、わずかばかり三崎町に住んだことがある。当時の記憶は一切ないが、ふるさとは三崎町だとずっと思ってきた」と話してくれた。
また、記念式典のアトラクションでは坂東三津拡師匠(八幡浜出身)の振り付けによる日本舞踊「伊予節」なども披露する予定で、会員らが猛特訓に励んでいるということだった。
リトルトーキョーにある全米日系博物館では、八幡浜市真穴出身のカラサワ・ヤヨイさん(旧姓・中廣)らが待ち受けてくれていた。カラサワさんは強制収容を体験。教職をリタイアした後は、強制収容の歴史をたどる同博物館で案内ボランティアに従事。愛媛の人々の来訪を心底心待ちにしているようすだった。
松岡八十次県人会長や菊池安雄元県人会長の案内で総領事館も訪問した。伊原純一総領事は記念式典への協力を約束するとともにアメリカの日系人事情を詳しく話してくれた。総領事は「日系人は中国や韓国の人のようには民族意識が強くはないが…」と前置きしながら次のように持論を述べた。
「米国はもともと移民社会で、日系人は日系人としてのアイデンティティをしっかり保持している。日系人がごく短期間でも日本を訪問体験すれば彼らの意識は全く変わってくる。そんな事例をたくさん見てきた。日系人は日本にとって対外友好の架け橋的な存在でもある。大切なのは、日本にいる人たちと日系社会とのたゆまぬ交流です」。
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